スズキの戦略

自動車メーカーが跋扈する日本で生き残るために

スズキ自動車は、日本国内の自動車会社としては有名ながらもそこまで大きな会社というわけではありません。
しかしながら、現在でも独立を保っており、新しい車を出し続けて収益を上げ続けています。
どのようにして強豪ばかりのライバルたちを相手取りながら生き残ることができているのでしょうか。

スズキ自動車の経営戦略は大きく2つのポイントがあります。
一つは「集中戦略」、もう一つは「弱者戦略」というものです。
集中戦略というのは、多くいる消費者全員に対してアピールを行なうのではなく、其の中でも一部の対象を相手取ってマーケティングを行なうという方法です。

全体に受け入れられるものを作るのは難しく、そういった点において日本はトヨタや日産などの強敵がいるためになかなか立ち向かうことが出来ません。
そこでスズキ自動車が行ったのが、「軽自動車を求める層に対する一本化」ということになります。
スズキ自動車は実は日本国内の自動車メーカーのなかで、ナンバーワンの軽自動車売上を誇っている会社なのです。

ハイブリッド自動車やハイテク自動車などについては大手と勝負することを避けて、大手が強くない軽自動車について全力を注ぐことによって競合相手を振り切るという戦術を取りました。
これが成功し、大企業である日産自動車を相手にOEM供給を行なうなど、日本全体の軽自動車に関わるような企業へと成長したことになります。

弱者戦略の成功

そしてもう1つの戦略、弱者戦略についても見ていきましょう。
この弱者というのはスズキ自動車が弱い会社というわけではなく、ランチェスター戦略と呼ばれる経営戦略論に於いて、ナンバーワン以外が弱者と称されていたことから来ているものです。
実際日本国内のナンバーワンはトヨタですから、それ以外の自動車会社というのはこの定義に従えば弱者ということになります。

先述したような広範囲マーケティングではなく、集中したマーケティングを行なうというのは、弱者戦略としては中心となる一手なのです。
実際スズキ自動車はそれに成功しました。
さらに国内だけではなく、インドにおいて高いシェアを誇っているというのも特徴です。

今やインドにおいては全部の車の2台に1台以上がスズキ車という状況になっており、こちらでは間違いなく「強者」となっているのです。