経営ストラテジー入門

経営戦略の実例やマーケティングの解説、ビジネスに関するフレームワークなどをご紹介します。

全社戦略

全体の舵取りを行なう戦略

2つ目の戦略として紹介するのは全社戦略についてです。
これについてもトップページですでに概要を説明しましたが、これは複数事業を持っている企業がその全体に対してどのような経営戦略を取るのか、という全体への戦略のことを指しています。
事業単位での戦略を考えるミクロ戦略である事業戦略に対して、会社全体としての戦略を考えるマクロ戦略であるのが全社戦略という扱いとなるわけです。

全社戦略はすべての戦略の上位に位置する戦略であることは忘れてはいけません。
全社戦略に従って事業戦略や、次に紹介する機能別戦略というものが立てられていくことになるため、全社戦略の方向性を定める事自体が全体の戦略における最重要なポイントとなるわけです。

ただ、実際に行われる全社戦略はそこまで絶対的な権力を持っている上位存在というわけではありません。
場合によっては事業戦略や機能戦略の方からのフィードバックを受けて、方針を修正していくことが求められます。
全社戦略は大きな存在であるがゆえに、細かいことにまでは目が届きませんから、フィードバックシステムは必ず構築していくことが重要になってくることでしょう。

この全社戦略は言い換えれば会社の現実的な経営理念ということになります。
会社としてどのような戦略を持ち、どのような会社であるのか、その会社としてのアイデンティティがこの全社戦略には宿っているわけです。

全社戦略のメリットとデメリット

では、全社戦略を定めるメリットとデメリットについても考えていきましょう。
まずメリットについてですが、全社戦略で大きな方向性を決めることで、ミクロ単位の戦略である事業戦略や機能別戦略の方向性が決まり、それぞれの戦略を立てやすくすることができます。
全社戦略は一つの指標的存在であると考えて大きな間違いはないでしょう。

対してデメリットとなるのは、全社戦略が誤ってしまうと企業全体を大きく間違った方向へと導いていってしまうことです。
そのため、全社戦略を考える際には特に慎重にならなければなりません。
前の代から続いているような全社戦略をそのまま流用していくのではだんだんと時代遅れになっていってしまうことも考えられます。

ただ、会社というのは一つの生き物でもあります。
あまりに大きな変更を加えてしまうと、それはそれで反発を招きやすくなることも十分考えて置かなければなりません。
会社は人の集合によって成り立っているものである、ということを忘れずに、大幅な戦略を建てる場合には特に重要なポイントとなるでしょう。